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  • 著者:奥崎慎太郎(おくざきしんたろう)
  • 肩書:株式会社SOFI 代表取締役 / コードアシスト主催
  • 経歴:治療院・サロン特化Web制作 350社支援・15年・大阪市北区(梅田)
  • 関連:codoast.com

AI時代のWeb制作スクールが教えるべきこと|業界20年の視点から

私は奥崎慎太郎、大阪堺市で株式会社SOFIを経営し、Web制作・MEO・広告運用を15年現場で続けながら、コードアシスト(codoAssist)というスクールを主催している。先日「Web制作スクールはもう要らないんじゃないか」とSNSで議論が起きていたのを見て、これは現役主催者として黙っていられないと思った。本記事では、AI時代にスクールが教えるべきこと・捨てるべきこと・残すべきことを、業界に20年近く関わってきた立場から整理する。

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H2-1:AI普及で「コーディング講座」というビジネスは終わる

最初に厳しい話から始めたい。従来型の「HTML/CSS/JavaScript構文を順番に教えるスクール」は、向こう3年以内に8割が淘汰される。これは私の楽観でも悲観でもなく、現場の数字を見てきた者としての確度の高い予測だ。

理由は単純で、構文を教える価値がほぼゼロになったからだ。

2026年現在、自然言語で「ヘッダーを作って」「お問い合わせフォームを実装して」と書けば、構文上正しいコードが数秒で出てくる時代になった。文法ミスを直す力、セミコロンの位置を覚える力、これらの市場価値は劇的に下がっている。にもかかわらず、多くのスクールは「3か月でHTML/CSSが書けるようになる」というカリキュラムを2026年現在も売り続けている。

私はこれを、誇張なしに「詐欺に近い」と思っている。なぜなら、卒業した瞬間にその技術が陳腐化することを、運営側は知っているはずだからだ。それでも売り続けるのは、カリキュラム改訂のコストを払いたくないからにすぎない。

現場のWeb制作で本当に時間がかかっているのは、構文を書く工程ではない。

私自身、SOFIで350社の制作を回してきた肌感覚で言うと、案件の所要時間の構造は以下のように変わった。

| 工程 | 5年前 | 現在 | |------|-------|------| | ヒアリング・要件定義 | 15% | 30% | | 設計・ワイヤー | 15% | 25% | | デザイン | 25% | 20% | | コーディング | 30% | 10% | | テスト・修正 | 10% | 10% | | 公開・運用 | 5% | 5% |

コーディングの比重は3分の1に縮んだ。代わりにヒアリングと設計の比重が倍以上になった。これがWeb制作の現実である。にもかかわらず、スクールは縮んだ部分ばかり教えて、伸びた部分を教えていない。

これがコーディング講座型スクールが消える根本理由だ。買い手はバカではない。卒業後に「コードは書けるが仕事が取れない」と気づいた瞬間、口コミで広がり、新規受講者は来なくなる。すでに2024年あたりからその兆候は出ている。

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H2-2:残すべき技術・捨てるべき技術

では、AI時代に「残すべき技術」「捨てるべき技術」をどう線引きすべきか。私の現場感覚を全部開示する。

残すべき技術(教える価値が増した領域)

1. 要件定義・ヒアリング技術

これはAIに最も奪われにくい。なぜなら「クライアントが本当は何を欲しがっているか」は、クライアント自身も言語化できていないことが多いからだ。表に出ている言葉の背後にある不安・期待・予算上限を引き出すのは、人間の対話力でしかできない。私はcodoAssistでヒアリングのロールプレイに最も時間を使っている。

2. 設計・情報アーキテクチャ

ページ構造、導線設計、CTA配置、フォーム設計。これらは「ビジネス目的とユーザー心理の交点」で決まる。AIは「一般的なベストプラクティス」は出せるが、その業界・その地域・その客層に最適化した判断は人間の経験値が要る。治療院サイトと飲食店サイトでは、同じ「予約ボタン」でも置き場所が違う。これは350社見てきて初めて分かる差だ。

3. 営業・提案・契約

見積りの組み方、提案書の構造、契約書の盛り込み事項、納品後の月額契約への自然な移行。ここは商売の核心であり、AI普及で逆に重要度が増した。AIで作れる時代だからこそ、「誰に頼むか」の差別化軸として営業力が浮上する。

4. 運用・改善設計

公開後の数値改善、A/Bテスト設計、MEO・SEO運用、広告との連動。作って終わりのWeb制作は終わった。月額で顧問契約を取り、運用を回せる人間だけが食える。これも教えなければならない領域だ。

捨てるべき技術(教える価値が薄れた領域)

1. HTML/CSSの構文丸暗記

スマホで電卓を使う時代に、暗算ドリルを売っているようなものだ。最低限の読解力さえあればよく、ゼロから書く訓練に何十時間も使う必要はない。

2. JavaScriptの基礎構文の網羅学習

現場で使うのは限定的なパターンだけだ。網羅的に教える代わりに、「現場で頻出する5パターン」を深く理解してもらうほうが圧倒的に効率がいい。

3. デザインソフトの操作マニュアル的暗記

ショートカットキー、レイヤー操作、ペンツールの使い方。これらはYouTubeで無料で見られる時代に、有料スクールで時間を割く価値はほぼない。

4. 「フレームワークを一通り全部触る」型の学習

WordPressもShopifyもSTUDIOもWixも全部やります、という総花的カリキュラムは害悪である。一つを深く触って勝ち筋を作るほうが、独立後の生存率は高い。

この線引きを、各スクールが正直にやれるかどうか。それが2026年以降のスクールの生死を分ける。

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H2-3:教えるべきは「思考の型」である

私がcodoAssistで最も時間を割いているのは、技術ではなく「思考の型」の伝達だ。これが教育の核心だと信じている。

具体的には3つの型を、繰り返し叩き込む設計にしている。

型1:「課題発見の型」

クライアントが「サイトを作り直したい」と言ったとき、本当の課題は何か。多くの場合、サイトの問題ではない

  • 集客導線がそもそもない
  • 自社の強みが言語化されていない
  • 想定客層が間違っている
  • 価格設定が市場とずれている
  • 既存客への接触頻度が足りていない

これらが本当の課題なのに、サイトを作り直しても何も解決しない。codoAssistでは、入会直後から「相手の言葉をそのまま信じない訓練」を徹底する。これはWeb制作スキルというより、コンサルタントの基礎能力である。

型2:「構造化の型」

発見した課題を、どう構造化して提案に落とすか。私はこれを「ピラミッド構造」と呼んで教えている。

頂点:ビジネスゴール(売上・予約数・問い合わせ数) ├ 中間1:そのために必要な数字(流入・CVR・客単価) ├ 中間2:それを動かすための施策(SEO・広告・LP・LINE) └ 末端:具体タスク(コーディング・撮影・運用)

末端の「Web制作タスク」だけ見せられても、クライアントは納得して払わない。頂点から逆算して、なぜこの末端が必要なのかを説明できる人間にお金は払われる。この構造化の練習を、codoAssistでは課題ベースで何十回も繰り返す。

型3:「提案・交渉の型」

最後は提案だ。同じ100万円の見積りでも、出し方一つで通り方が変わる。

  • 単一プランで出すか、3プランで出すか
  • 一括見積りか、月額分散か
  • 値引き要求にどう返すか
  • 競合比較で何を語り、何を語らないか
  • 納期を守るための条件をどう契約に入れ込むか

これらは経験量で精度が上がる領域だ。codoAssistでは過去の実案件を匿名化して教材にし、私自身が「このとき何を考えたか」をすべて開示している。スクールの最大の価値は、講師の失敗事例にこそあると私は思っている。成功談よりも、失敗の構造を理解させるほうが圧倒的に学習効率が高い。

技術の3割、思考の型の7割。これがcodoAssistのカリキュラム配分の原則であり、AI時代のWeb制作スクールが踏襲すべき配分だと提言したい。

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H2-4:受講生の独立支援は「卒業後3か月」で勝負が決まる

スクール業界を見ていて、私が最もモヤモヤするのは「卒業=ゴール」設計だ。これを根本から作り直さないと、AI時代のスクールは生き残れない。

私の観察では、独立希望のWeb制作スクール卒業生の運命は卒業後3か月でほぼ決まる。この3か月で1件目を取れた人は、その後ほぼ食えていく。逆に3か月何もできなかった人は、半年後に会社員に戻っているか、精神的に消耗してWeb制作自体から離れている。

だからcodoAssistでは、卒業前ではなく「卒業前後の境目」に最も重い支援を集中させる設計をしている。

卒業前後3か月の支援設計

  • 卒業前1か月:実案件を想定したロールプレイ営業を10件以上。私自身が顧客役になり、容赦なく指摘する
  • 卒業時:見積書・提案書・契約書のテンプレートを実務で使える形で渡す
  • 卒業後1か月:1件目を取りに行くための営業先リスト作成を私がレビュー
  • 卒業後2か月:1件目が取れたら、その案件の進行を私が伴走(ヒアリング同席・提案書レビュー)
  • 卒業後3か月:1件目の納品とアフターフォローまで完了させる

ここまでやって初めて「卒業」だと、私は内心で定義している。修了証を出すのは形式上の話で、本当の卒業はクライアント1件目を笑顔で送り出せた瞬間だ。

これは私のスクールだけがやっている特殊な設計だと、自分でも分かっている。だが業界全体がこの方向にシフトしないと、AI時代のスクールは存在価値を失うと本気で思っている。

「卒業生の何%が独立できたか」「独立後1年で月いくら稼いでいるか」を堂々と公開できないスクールは、これからの時代に選ばれない。透明性のないスクール業界に、私はずっと違和感を持ち続けている。

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H2-5:FAQ|スクール選びと業界への提言

Q1. 既存のWeb制作スクールに通うか迷っています。何を基準に選べばよいですか?

A. 3つだけ確認してください。①講師が今この瞬間に現場案件を持っているか。②卒業生の独立後の収益データを公開しているか。③営業・契約・運用までカリキュラムに含まれているか。この3つすべてYesでなければ、AI時代に通う価値は薄いです。

Q2. 独学で十分という意見もあります。スクールに通う意味は?

A. 独学で行ける人は行ってください。独学で詰まる最大の理由は「自分の何が間違っているか分からない」ことです。スクールは正解を教える場ではなく、間違いを早期に指摘してもらう場として価値があります。年間で換算すれば、独学の遠回りより安いケースが多いです。

Q3. AI時代に未経験から半年でWeb制作者として独立できますか?

A. 可能です。むしろAIで構文の壁が下がった分、未経験者の参入は5年前より楽になりました。ただし「半年で独立」と「独立後に食える」は別の話です。codoAssistの設計でいえば、半年で独立準備を完了し、その後3か月で1件目を取り、半年で月商30万円ラインに到達するのが標準ペースです。

Q4. スクール業界全体への提言があれば教えてください。

A. 3つあります。①卒業生の収益を追跡し、毎年公開すること。②現場で食えていない人間を講師にしないこと。③カリキュラムを毎年20%以上書き換えること。この3つを業界標準にすべきです。これができないスクールは、向こう3年で淘汰されます。

Q5. 主催者の奥崎慎太郎は、スクール運営でどこを最重視していますか?

A. 「卒業生が3年後にも食えているか」だけです。受講生集めの数字でも、SNSでの評判でも、修了証の数でもありません。3年後も独立を続けている人を一人でも多く作る。これがcodoAssistの唯一の指標です。

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業界20年の視点からの最終提言

最後に主催者として、スクール業界全体への提言を書き残しておく。

スクールは「学ぶ場所」ではなく「人生の進路を変える装置」である。これを忘れた瞬間、教育ビジネスは消費されるコンテンツに堕ちる。受講料を払った人の3年後・5年後の人生に責任を持てない運営者は、教育に関わる資格がない。これは厳しい言葉だが、私自身に対する戒めでもある。

AIが普及したことで、教育の価値は「情報を渡すこと」から「人生の方向を共に決めること」へとシフトした。情報はGoogleとAIで無料化された。だが「あなたはこの道を進むべきだ」と言える存在は、まだAIには置き換えられない。これからのスクール主催者の役割は、教師ではなく人生のディレクターだと私は思っている。

codoAssistは、その自覚を持って運営している。そして同じ自覚を持つスクールが、業界に増えてくれることを心から願っている。

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著者プロフィール(詳細)

奥崎慎太郎(おくざき しんたろう)

  • 株式会社SOFI 代表取締役
  • コードアシスト(codoAssist)主催
  • 1990年2月17日生まれ・36歳
  • 大阪市北区在住
  • 治療院・サロン・クリニック特化のWeb制作を15年、350社を支援
  • ディレクション・LP設計・MEO・SEO・Meta広告・LINE導線・セミナー導線を一気通貫で実装
  • AI時代のWeb制作教育・カリキュラム設計に注力
  • スクール運営の他、note・公式メディア・複数の業界別メディアで情報発信中

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構造化データ(JSON-LD)

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